Auburn大学のフォーミュラSAE車両の複合材シャーシとモノコックのデザイン最適化

Posted 08/09/17

340x256_AuburnUni.jpgフォーミュラSAEは学生が自ら構想、設計、製作したフォーミュラスタイルの小型レーシングカーを競争させる大会です。出場チームは大会に向けて約1年間、車両の設計、製作等の準備を行います。車検、静的審査(コスト・プレゼンテーション・デザイン)および動的検査(スキッドパッド・アクセラレーション・オートクロス・エンデュランス・燃費)の審査により、ものづくりの総合力を競います。

1996年に設立されたAuburn大学フォーミュラSAEチーム(米国)は、世界の上位チームに匹敵する効率のよいレーシングカーを製作することを目標としています。Auburn大学のチームは車両の構造を改善し続けるためにAltair HyperWorks CAEソフトウェア製品群を使用し、具体的には、HyperMeshを有限要素モデルの作成、HyperViewをポスト処理の結果表示、OptiStructを有限要素ソルバーと最適化ツールとして使用し、車両の剛性の増加と質量の削減を行っています。Auburn大学のチームは車両に複合材料を幅広く活用し、HyperWorksを適用してモノコック、空力付加部品、シャーシ、衝撃吸収構造等の部品を設計・解析しました。

チームの歴史と組織

Auburn大学SAEレーシングチームはチーム設立の21年前から今まで、20台のフォーミュラスタイルのレーシングカーの製作に成功し、アメリカ、ドイツ、オーストラリアで開催されるSAE大会に数々出場しています。現在の車両デザイン(AU-2016)と将来製作予定の車両デザイン(AU-2017)は炭素繊維モノコック構造、内燃機関をベースとしたパワートレインとシャシコントロール、全面的に空力を考慮した表面形状の機能を備えています。

最新の設計過程では車両をパワートレイン、シャーシ、エレクトロニクスの3つの開発チームに分け、それぞれをチームキャプテンが率い、さらに3チームをリードエンジニアが率いました。すべてのチームメンバーは教員アドバイザーおよびマーケティングディレクターが率いるマーケティングチームと緊密に協力しました。Auburn大学のチームは、College of Engineering Department of Mechanical Engineeringに所属しています。詳細については、Auburnフォーミュラ SAEのウェブサイトをご覧ください。

課題

フォーミュラSAEチームの重大な課題は、質量やSAEレースカーの要件を満たしながら、最適な設計ソリューションを決定することです。Auburn大学のチームは、車両の性能を最適化するために、剛性を低下させずに軽量化できる可能性が最も高い部品に注力することにしました。その一つがモノコックのシャーシです。シャーシチームは、モノコックシャーシの剛性を高めながら軽量化を行い、車両のハンドリングを改善することを目標としました。この設計目標を達成には、並行して開発を進めている他チームの設計目標を考慮しなくてはならないほか、厳しい製造期限も満たす必要がありました。

ソリューション

Auburn大学フォーミュラ SAEのチームは、モノコックシャーシの質量最適化にHyperWorks製品群の計算ツールを使用してSimulation-driven Designプロセスを実行しました。

はじめにCADジオメトリをHyperMeshにインポートし、メッシュモデルを作成します。次に、主要なモノコック構造に複合材料特性を、接合されたエンドキャップにアルミニウム特性を割り当てた後、モデルの設計領域と非設計領域を設定し、荷重を入力した後、モノコックの最大変位が可能な最大の値に拘束します。モノコックの体積を最小にするため、複合構造におけるOptiStructの3段階最適化プロセスを適用します。最後に、HyperViewで最適化した結果を分析し、製造可能なジオメトリを作成した後、線形有限要素解析を用いてすべての設計要件が満たされていることを確認します。

複合材モノコックの有限要素モデルAuburnUniversity_DisplacementResult.jpg複合材モノコックのフォン・ミーゼス応力結果

複合材モノコックの有限要素モデル(左)、変位結果(中央)、フォン・ミーゼス応力結果(右)

結果

最適化により、炭素繊維 / アルミニウムモノコックシャーシは、以前の全アルミニウムデザインの剛性を維持しながら50%の質量を削減しました。シャーシの総質量は51ポンドとなり、チームの質量目標を大幅に上回ることができた上、ねじり剛性は4,000ft-lb / degで車両設計目標もクリアしました。

Auburn大学のチームは、HyperWorksを使用することで車両開発過程における多くの難問を克服しました。Simulation-driven Designのアプローチは、プロトタイプが作成される前に車両の各部品を設計、試験、評価でき、設計時間を大幅に削減することができます。また、チームメンバーは学生のうちにHyperWorks製品群の知識を身につけることができ、将来のエンジニアリングキャリアで扱う実社会の設計課題に対応するためのスキルを備える機会にもなりました。

Altairのソフトウェアがどのように貴チームの成功に役立つかは、 www.altairjp.co.jp/landing/academicでご確認ください。

まとめ: HyperWorksがAuburnFSAEチームにもたらしたもの

  • 部品の剛性-質量比の改善による車両の性能の向上
  • 開発時間の削減による、より精密な設計評価
  • 複合材設計と最適化に関する知識およびエンジニアとしての経験値

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Topics: 学生フォーミュラ, 事例