ボトル解析の自動化

Posted 10/26/15

*こちらの記事は、Altair Universityに掲載された記事を当ブログ用に加筆、編集したものです。

Altairは、包装容器の解析において最も実績のあるCAEソフトウェアメーカーのひとつです。

ユニリーバ、P&Gをはじめ国内の消費財メーカ、飲料水メーカや化粧品会社で、総合CAEソフトウェアのHyperWorksや3DデザインソフトのEvolveが幅広く利用されています。パッケージ開発においてどのような課題があり、解析によってどのようなことが可能かについて長年の経験があります。CAEソフトウェア会社でありながら、包装容器開発の言葉を理解し、的確なサポートを提供します。

Altairはボトルの解析専用ツール、Packaging CAE Manager(PCM)を2014年にリリースしました。PCMはプラスチックボトルの開発で必要になる試験を、バーチャルテストとしてパソコンで解析できるソフトウェアシリーズです。はじめにトップロード解析ツールが利用できるようになり、その後、陽圧/負圧解析ツールが開発されました。

PCMトップロード解析自動化ツール

パッケージ開発では、必ずといっていいほど圧縮試験を行います。流通過程でパレット積みされたときに、製品と段ボールでその荷重に耐えなくてはなりません。PCMトップロード解析自動化ツールは、解析の専門用語を必要とせず、包装容器についての理解があれば誰でも簡単に解析ができるツールです。

はじめにMACで稼動する履歴機能つきサーフェスモデラーであるEvolveを使い、ボトルの3Dモデルを作りました。この起立ボトルをキャップ部分を取り除き、今回解析を行うソリッドモデルを作ります。

Evolveでデザインしたシャンプーボトル

Evolveでデザインしたシャンプーボトル

空ボトルのトップロード解析

Evolveで作成したボトルモデルをPCMトップロード解析自動化ツールに読込んで解析設定します。設定は数項目あるコントロールパネルに数値を入力するだけで、慣れてしまえば設定に1分もかかりません。自動で解析に必要な有限要素を作成することも可能です。

解析計算は、4コア並列計算で行われるので数分、細かいメッシュであったとしても十数分と高速に計算し結果を表示します。よく線形解析ソフトでトップロード解析を行おうとする方もいますが、非線形な座屈を伴う現象なので、正確な計算のためにはHyperWorksのような非線形座屈解析が可能なCAEソフトが必須です。

トップロード解析 空ボトルの非線形座屈解析

ミーゼス応力コンタ(左)と押込量に対する反力グラフ(右)

内容液を考慮したトップロード解析

製品状態(内液を充填して、キャップをした状態)で、軸圧縮試験行う方が多いと思います。PCMでは、内容液をどのくらい入れるかを設定するだけで、内容液を考慮したトップロード解析を行うことが可能です。しかも計算時間にそれほど影響はしません。先ほど行った空ボトルの座屈モードとずいぶん異なった結果が得られました。空気部分が先に圧縮され座屈荷重も高くなっています。

トップロード解析 内容液を考慮したボトルの非線形座屈解析

トップロード解析
内容液を考慮したボトルの非線形座屈解析

陽圧・負圧解析ツール

PCMは、CAEの操作に熟達していない設計者向けに開発されたプラスチックボトルの構造解析ソフトウェアで、2014年のリリース以来、様々な企業に利用されてきましたが、このたび、トップロード解析ツールに加えて、陽圧/負圧解析ツールが新たに加わりました。次のような解析を簡単に実行することができます。解析の設定には1分もかかりません。

<陽圧/負圧解析ツール>

  1. ボトル口(くち)開放状態での静水圧解析
  2. 蓋の閉まったボトルの陽圧解析
    • 内液なし
    • 内液あり
  3. 蓋の閉まったボトルの負圧解析
    • 内液なし
    • 内液あり

その他、PCM Ver.2からFEM(有限要素モデル)を読込むことができるようになりました。PCMで自動的にメッシュ分割を行うだけではなく、HyperMeshで細かく肉厚分布を設定したモデルを読込んで、簡単に解析設定が可能です。

1.ボトル口開放状態での静水圧解析

内容液を充填した場合の自重変形を評価できます。

入れ目線

「入れ目線」高さの設定例

内液充填後のボトル変形

変位コンタ(左)とミーゼス応力コンタ(右)

 

2.陽圧解析

化学変化などにより陽圧状態になった場合のボトル変形を評価できます。炭酸飲料水ボトルの評価にもご利用いただけます。

陽圧変形

変位コンタ(左)、ミーゼス応力コンタ(中央)と内容積変化率(右)

3.負圧変形解析

高温充填後の容器変形を予測。ボトルの減圧変形によるラベル面を評価したり、当たり面の変化などを簡単に検証することが可能です。下のサンプル例では内容液を考慮した解析を行っています。

VC1.gifVC2.gif

ボトルの減圧変形(Evolveで解析結果をレンダリング)

ボトル落下解析の設定ツール:DropTest

最後に、誰でも簡単に内液の入ったボトルの落下解析をセットアップできるツールがHyperWorksの中にあるのでご紹介します。そのツールはDropTestと言います。

JP_drop_test_handle_bottle_2

CAEに慣れていない人でも、材料物性とメッシュさえあれば8分もかからずに解析設定が可能です。また、PCM 圧縮座屈解析自動化ツールがあれば、3D CADから簡単にメッシュを作成することができます。

Packaging CAE Managerシリーズ

今回ご紹介したPCMは、パッケージ開発を行う複数のブランドホルダーからヒアリングし、許可を得て販売しているボトル専用の解析自動化ツールです。このようなボトル解析自動化ツールがあれば、金型を作成し実試験を行う前に、容器の性能を予測することが可能となります。設計の初期段階でPCMを使うことで、手戻りを減らし、開発期間を短くすることが可能になるのではないでしょうか。

  1. トップロード解析自動化ツール
  2. 陽圧/負圧解析自動化ツール
  3. 落下解析 ※DropTestで利用可能

PCMは、無償で評価貸出しを行っています。ご自身のPC上でボトルのバーチャルテストが実現できるようになります。ご興味のある方は、アルテア 渡部までぜひご連絡ください。

また、2016年11月26日に開催される公益社団法人日本包装技術協会主催の第88回包装情報研究会において、「包装容器開発へのCAE適用事例」というテーマで講演を行います。ご興味をお持ちの方は、こちらをご覧ください。


Takashi Watabe

Written by Takashi Watabe

Sales Division #2