Kx kdb+データ環境向けストリーミング分析アプリケーションの構築

Panopticon Streaming Analyticsが、業務の継続的な最適化をサポート
- 監視:
リアルタイムストリーム内の異常を検知 - 調査:
異常を招いたあらゆるアクションに
ついて、過去の時系列データをさかのぼって調査 - バックテスト:
ヒストリカルデータに基づき、シナリオ変更によるパフォーマンスへの影響を分析 - 最適化:
運用のアラートや閾値を、バックテストの結果に基づいて更新
Panopticon Streaming Analyticsプラットフォームは、kdb+を導入済みの企業において最良約定の確保、クライアントフロー分析、リスクおよび執行分析、監視、コンプライアンスといった幅広い用途で活用されています。
PanopticonはODBCを介さずにkdb+やkdb+tickにネイティブに接続できるため、使用できる機能が制限されることはありません。Panopticonならリアルタイムのストリーミングデータ、日中データ、過去の時系列データにアクセスして分析したり、kdb+に格納されたデータを即座に可視化したりすることが可能です。Kxのソースに限らず、一般的なリアルタイムソースまたはヒストリカルソースのほぼすべてに数秒で接続できます。完全にインタラクティブなダッシュボードを設計することも可能で、作成したダッシュボードはそのままトレーダーやクオンツ、監視担当者、コンプライアンスオフィサーに共有できます。
ある大手投資銀行のトレーディング部門では、過去の任意の期間における自分の行動を振り返って調べる際にKx kdb+データインフラに接続されたPanopticonアプリケーションが使用されています。
トレーダーは1件1件の約定をティック単位で再生でき、再生速度は標準再生、倍速再生、スロー再生から選択できます。注文と約定のパフォーマンスも、アルゴリズム戦略、取引ベニュー、顧客、業種ごとに分析できます。

活用例
執行分析

kdb+のデータを余すところなく活用しましょう。市況や執行・取引活動を分析することにより、的確なタイミングで賢明な取引を執行できるようになります。リクイディティプロバイダーの価格設定の特徴に関する知見を素早くつかんだり、全取引所の1人1人の取引行動を把握できます。
あらゆる取引指標を可視化し、隅々まで把握:
- 気配値:利用可能なリクイディティプール全体の気配値をまとめて可視化し、流動性の偏りを明確化
- 流動性とスプレッド:クォートドリブン市場のマイクロストラクチャー分析
フロー / ヒット率:すべての電子取引チャネルのRFQにおける取引活動の監視とトレンド分析 - マーケットマイクロストラクチャー:マーケットインパクトと過去の約定、取引べニュー、執行戦略を相関化
- リアルタイムおよびヒストリカルの執行コスト分析(TCA):細分化されたリクイディティプール全体の最良執行を分析。アルゴリズムタイプごと、ブック(板)ごと、取引所ごと、カウンターパーティー / ブローカーごと、証券ごとの分析も可能
- リアルタイムおよびヒストリカルな損益データ:取引コストとリスクを収益と相関化
- 流動性スキャナー:すべての取引所の一時的な市場流動性の偏りを明確化
トレーダーのパフォーマンス:全トレーダーおよび全グループの取引の効果性を測定し、パフォーマンスの傾向を確認 - バスケット取引:ポートフォリオやインデックスのバスケット取引の取引前および取引執行時のリスクとリターンを分析し、流動性のスパイク、ショートフォール、パフォーマンスの分散を明確化
- スプレッド分析:各取引所のオーダーとクォートの比較分析
コンプライアンスと監視

コンプライアンス責任者はPanopticonを使用することにより、トレーダー、証券、アセットクラス、オフィス、デスクなど任意の次元ごとの取引日全体の全活動を俯瞰的に確認できます。取引活動のリアルタイムストリームまたは取引のヒストリカルデータについて詳細まで確認することができ、最小でナノ秒のタイムスタンプを表示可能です。T+1の監視を実施し、約定のヒストリカルデータをどこまでも細かい粒度で見直すことができます
- 取引の監視:スプーフィング(見せ玉)、クォートスタッフィング、馴合取引などの監視アラートを、気配値情報の画面で分析。取引日の状況を、取引ごとにティック単位で自動再生。市場健全性分析を含め、あらゆる取引活動を網羅的に把握。
- アラートの統合:トレーダー、地域、アセットクラスに関するアラートを統合し、当日や過去のアラート報告とその傾向を分析
- 全般的な監視:取引や通信の監視から生成されたアラートを分析。不正行動の様々な要素を相関させることができるほか、ドッド・フランク法で規定されている取引の復元にも対応。既存のアラートに重要な背景情報を追加してアラートの価値を高めることにより、さらに効率的で効果的な調査を実施可能。
- 行動リスクのプロファイリング:取引ポジションやリスクポジション、セキュリティアラートをもとに個々のトレーダーの行動を総合的に監視。背負っているリスクに基づいてトレーダーにスコアを付け、現在と過去のパフォーマンスの比較やトレーダー間の比較を実行。トレーダーの相互作用ネットワークを調べることにより、過去の活動を迅速に把握し、行動の異変を特定可能。
アーキテクチャーの概略図
リアルタイムストリーミングデータソース
PanopticonはKx kdb+との相性が抜群
- kdb+にネイティブに接続できるため、カスタマイズが不要
- kdb+と直接接続し、読取 / 書込を実行
- ビジネスユーザーにとって使いやすい設計
- ミリ秒単位のリアルタイムストリーミング表示を構築
- 過去の時系列データをナノ秒単位で処理および表示
- 高価なカスタムツールに代わるソリューション
- 数分でインストール完了
- 個々の目的に特化した分析アプリケーションを数分で作成
kdb+内のデータを以下のデータと結合可能:
- Solace、ActiveMQ、MQTT、Kafkaなど多数のリアルタイムストリーム
- あらゆるSQLデータベースおよび特定目的用の時系列データベース(MemSQL、InfluxDB、Vertica、OneTickなど)
- NoSQLデータベース(Elastic、Hive、Spark SQLなど)
- あらゆるSQL準拠データベース
- XML、JSON、テキストファイル
- PythonまたはR
サブスクライブ先:
- Kx kdb+tick
- Kafka topics
- Solace
- RabbitMQ
- OneTick CEP
- ActiveMQ
- TIBCO StreamBase CEP
- TIBCO LiveView
- SAP ESP
- 60East AMPS
- Web Sockets
出力先:
- Kx kdb+、kdb+tick
- リアルタイムメッセージバス(Kafkaなど)
Panopticon Streaming Analyticsプラットフォーム
決断の遅れは企業にとって大きな痛手となります。それは、投資業界でも、エネルギー産業でも、電気通信やIoTなどの企業でも同じです。レポートが上がってくるのを丸1日待っていては、収益につながる機会損失になりかねません。あるいは、脅威への対応が手遅れになることもあります。
Panopticon Streaming Analyticsプラットフォームは、市場で唯一のリアルタイムデータ可視化システムであるPanopticon Visual Analyticsソフトウェアと、高度なビジネスロジックやデータ関数を視覚的インターフェースだけで構築できるストリーム処理エンジンであるPanopticon Streamsで構成されています。ITエンジニアではなくビジネスユーザー向けに一から開発されたプラットフォームのため、カスタムアプリケーションの開発に多額の資金と数か月もの時間をつぎ込むことなく、独自のシステムを数分で構築、展開できます。
Panopticon Visual Analyticsで取引状況をリアルタイムに表示
Panopticon Visual Analyticsは、きわめて高速に変化するタイムクリティカルなデータの処理に最適化されています。Panopticonのフィルタリングツールでは、タイムライン表示の拡大 / 縮小、画面からの誤検出データの除去、例外データへのフォーカスが可能です。困難な問題を迅速に解決できるだけでなく、複雑な関係も数秒で理解し、深堀りが必要な問題もわずか数クリックで特定できます。
コーディングなしでストリームを分析:Panopticon Streamsは、集約、計算、アラートなどのリアルタイムのデータプレパレーション機能を備えています。
Panopticon Streamsには、昨今の複雑な法規制と熾烈な競争を乗り越えて業績を伸ばすために欠かせない重要な機能が搭載されています。経営陣自らが独自の分析システムを構築、管理し、企業の経営判断を直接下すことができます。
標準的なWebブラウザで新規のデータフロー図を作成し、ストリーム処理モデルを起動してその出力を表示するまでの作業が、わずか数分で完了します。IT部門に問い合わせたり、カスタムコードの開発を依頼してテストと納品を待ったりする必要はありません。