最適化の用語の説明
無料eブック「OptiStructを用いた構造最適化の実践」4章より抜粋
設計変数 - 設計変数とは、最適化プロセスで自由に変更できる構造パラメータのことです。典型的な設計変数には、材料プロパティ、構造のトポロジーや形状、部材寸法などがあります。設計変数は、実行する最適化のタイプによって連続値または離散値になります。
設計空間 - 最適化プロセス中に変更される可能性のある領域(ユーザーが選択可能)。たとえばトポロジー最適化では、設計空間内の材料配置は変更対象です。非設計領域は、最適化プロセス中に変更されることのない領域のことで、ユーザーが事前に指定します(例: 留め具やブラケット)。力や制約が適用される要素は、すべて非設計領域として指定する必要があります。
応答 - システムパフォーマンスの測定値(簡単に言えば、求めようとしている体積や質量などのこと)。
OptiStructの場合
DRESP1 - 単純な応答定義
質量、質量分率、体積、体積分率、コンプライアンス、周波数、変位、応力、ひずみ、力、複合材の応答、重み付きコンプライアンス、重み付き周波数、コンプライアンスインデックス、周波数応答解析の応答
DRESP2 - ユーザー定義関数を用いた応答定義
設計変数、グリッド位置、テーブルエントリ、応答、一般的なプロパティの関数として応答を定義
例:2節点の平均変位
DRESP3 - ユーザー定義の外部関数を用いた応答定義。C(C++)またはFortranで記述
目的関数 – 最適化の目的。最適化では一般的に、この関数の最小値を探索します。目的関数は設計における最重要プロパティであり、設計変数(質量分率、応力、変位、慣性モーメント、周波数、重心、座屈係数)の関数です。
例: 重量(b, h)の最小化
設計制約関数 - 最適化問題に課せられる制約。制約は、システムの任意の応答関数が取れる値を制限することによって設定します。この関数を満足しない設計は却下されます。制約関数には最大許容応力や、避けるべき周波数範囲などがあります。制約関数は等式でも書けますが、通常は不等式で表されます。
例:σ(b,h) ≤ 70 MPa
t(b,h) ≤ 15 MPa
h ≥ 2*b
実行可能設計(解) - すべての制約関数を満足する設計。
実行不可能設計(解) - 1つ以上の制約関数を満足しない設計。
最適設計 - すべての制約を満足し、目的関数が極小値(または極大値)を取るような最適化結果(設計変数の値)。
応答曲面 – 通常、目的関数と設計変数の関係を連続関数で表すことはできません。代わりに数値実験によって、目的関数の値と設計変数の値を対応させた表を生成します。これらの点の連続を曲面で近似することで作成されるのが、応答曲面です。応答曲面は最適解の探索に使用されます。